代表コラム

代表コラム

雨が続く時期がやってくると、家の中がジメジメして、なんだか調子が出ない。
そんな経験はありませんか?
お風呂がすぐにカビる、パンもカビる、うっかり出しっ放しにしていた料理は腐る…。
「梅雨だから、仕方ないよね」。
そんな風に考えているかもしれませんが、もしかすると解決策があるかもしれませんよ。

以前、リフォームの相談にいらしたお客様が「どうにも湿気が困る」と悩んでいらっしゃいました。そのお宅の基礎を割ってみると、そこにあったのは水溜り。家の下に水溜りがあれば、家の中がジメジメするのもある意味納得です。
では、湿気はどこからやって来るのか。その答えは「庭」にあると、私は考えています。

そう考えるのも、周囲の環境の重要さを痛感した出来事があったから。
とある森の中にある別荘地では、30棟ほどある全ての家がカビに悩まされていました。なかには畳にびっしりとカビが生えてしまったという例も。
そんな場所に、ハウジングアイチは「どんな対策が有効なのか」を探るべく、“実験住宅”を建てました。地盤改良に一部D・BOXを使い、壁は調湿性のある自然素材に、屋根裏に上がった空気を地下に回すシステムなど、さまざまな対策を施しました。
おかげでこの実験住宅だけは10年経ってもカビ知らず! だったのですが…。

たまたま誰も行けない時期が続き、半年ぶりに訪れた時、中は見事にカビだらけになってしまいました。テーブルにも椅子にもびっしり。
10年が経って外壁のコーティングが老朽化していたことや、半年間換気ができなかったことも原因ではありますが、何より一番大きな変化は、建物周辺の木や植物が大きく成長していたということ。山間部は湿度が高く、当然ですが土の中も水分が多いです。それに加えて建物の周りの植物が育ったことによって湿気が増したことが、一番の原因であると考えました。
結局、壁の中の木材もカビているので、その取り替えや修復にはなかなかの費用がかかりました。

そんな体験を通して、やはり家の周りの環境が重要であるという考えに至りました。
これから家を建てる方は、ぜひ土地の水捌けを良くする対策をして欲しいなと思います。また、今まさに一軒家で湿気に困っている方は、周囲の環境に目を向けてみてください。お庭がある場合は、ケースバイケースにはなりますが、少し掘り返してD・BOXを施すことも有効かもしれません。地中に水の通る道を作ることができれば、湿気対策として力を発揮してくれる可能性もありますよ。